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経営コーチは経営者と同じ目線で

経営コーチ リレーエッセイ
有限責任中間法人日本経営コーチ協会 理事 税理士 瀬尾暁史

「経営コーチ」が書くリレーエッセイの第2回目の担当の瀬尾と申します。「経営コーチ」に対しての私なりの思いを書かせて頂きたいと思います。

 

レンガを積む職人の話

 

皆さんはこんな話を聞いた事があるでしょうか。
旅人がある町を歩いていると、レンガを積んでいる職人が3人いるのを見かけた。
旅人は最初の職人に「何をしているのか。」と尋ねた。
最初の職人は、「見ればわかるだろう。レンガを積んでいるんだよ。」とぶっきらぼうに答えた。
旅人は二人目の職人にも尋ねた。
二人目の職人は、「レンガを積んで壁を造っているんだよ。」と答えた。
旅人は三人目の職人にも同じ質問をしてみた。
三人目の職人は、「レンガを積んで家の壁を造っているんだ。私はある人の為に家を建てているんだよ。」と答えた。

この話の意味するところは深いと思います。見た目は同じ仕事をしていても、それぞれの仕事に対する目的や意味合いが全く違っているのです。そしてそれは、きっと仕事の成果にも影響しているのではないかと思うのです。レンガを積む事自体を目的だと思って仕事をする職人よりも、壁を作る事を目的だと思って仕事をしている職人の方が気持ちのこもった良い仕事をするでしょう。しかし、施主の為に家を建てていると思ってレンガを積んでいる職人の魂のこもった仕事にはおそらく敵いません。
そしてもし、あなたが家を造る側の立場だとしたら、頼みたい職人は誰でしょうか。たとえレンガを積むという単純な作業であったとしても、あなたの思いを理解して仕事をしてくれている職人に頼みたいと思いませんか。

今の話を会計事務所に置き換えてみるとどうでしょう。そう、例えば毎月のデータ処理をしている職員に何をしているのか尋ねたとしたら・・・
一番目の職員は、「帳面をつけている」と答え、二番目の職員は、「帳面をつけて、決算書や試算表を作っている」と答え、三番目の職員は、「帳面をつけて、決算書や試算表を作っているけれど、これはお客様の安定した経営に役立つ為の資料を提供しているんだ。」と答える。
あなたが依頼している経営者だとしたら、どの職員に仕事を依頼したいでしょうか。
また、あなたが会計事務所の所長としてならば、どの職員と仕事をしたいでしょうか。

 

期待される会計事務所の将来像

 

経営者にとって決して易しいとは言えないこの時代、会計や税務を任せている会計事務所やその職員に、経営者が期待する事はなんでしょうか。
単なる帳面付けでしょうか。それとも決算書や申告書を作る事だけでしょうか。
当然の事ながら、そういった会計面や税務面でのサポートは重要な仕事であり、そのウェートは決して低くありません。今までもそうであり、今後もそのニーズが無くなる事はないでしょう。
また、零細企業相手であればあるほど、経営者や奥様の相談役(カウンセラー)としての役割も大きいと感じています。ある意味愚痴聞き役と言っても良いかもしれません。経営者やそのご家族は、他の人には言えない悩みや愚痴を会計事務所の職員に話す事でストレスを解消している時もあるからです。
しかし、カウンセリング役はストレス解消のお役には立てても、問題解決をする事は難しいでしょう。
今の経営者の方々の中には、もっと踏み込んだアドバイスやサポートを期待される人が確実に増えています。会計事務所だから見える課題や問題点を指摘してもらいたい。解決の為のアドバイスが欲しい。そう願う経営者は都会だけでなく地方にも多くいらっしゃいます。
しかしながら私たち一般の会計事務所は、コンサルタントを本業としているわけでは決してありません。営業コンサルや人事コンサルが出来るような人材を抱えている事務所はおそらくほんの一握りです。無理して背伸びをし、コンサルタントもどきの事を行ったとしても、余りよい結果を生むとは思えません。
お恥ずかしい話をしてみようと思います。
ずいぶん前の話ですが、私どもの事務所で職員がこんな失敗をした事があります。
売上を伸ばしたいという経営者の悩みに対し、商品構成に口を挟み、「この部分が問題だ。この商品はやめた方が良い。」等々とあたかも自分の意見を聞けば売上を伸ばす事が出来るかのように指導(指摘)をしてしまったのです。
当然経営者は、自分の商売に対して誇りと自信を持っています。それを業界の事に関してはズブの素人同然である会計事務所の職員にダメ出しを食らったのですから、良い気持ちはしません。後でその経営者からはひどいお叱りの言葉を頂戴しました。
私はその職員に、「我々はコンサルタントではない。税務の知識に基づいた指導は出来るが、商品構成や業界の習慣など、営業に関しては経営者の方がずっとよく知っている。自分を認めてもらおうと背伸びをして、『上から目線』で話をしたのではないか。我々の目線は上からではなく、常に経営者と同じ目線でいるべきだ。経営者の悩みについても、無理してこちらが回答を用意するのではなく、まずは社長の中の思いを聞き出す事を重要視しなさい。」と諭しました。

 

職員のスキルアップが会計事務所存続の生命線

 

先ほどの経営者からの相談も所長に持ちかけられたであったならクレームには至っていなかったかも知れません。しかし、毎月経営者と顔を合わせているのは職員なのです。
所長がすべてのお客様と毎月お話しし、相談にのるのが理想かも知れません。
しかし、当たり前の事ですが、所長一人で対応できる数には限界があります。すべてのお客様のところへ毎月お邪魔する事が不可能な場合も多いのです。
やはり、担当者として毎月お邪魔している職員のレベルアップを図る事が、会計事務所を存続させていく為には必要不可欠だと、その時私は痛感したのです。
これからの会計事務所にレンガを積むだけの職人はいりません。でも、施主の思いを勘違いして家を造ろうとする職人がいたとしたならば、それはそれで大問題なのです。
では、職員のレベルアップを図る為には何が必要でしょうか。
会計面や税務面の能力向上については各事務所でそれぞれ独自の研修システムを取り入れられている事だと思います。
それでは、経営に必要な知識やコミュニケーションスキルはどのようにされているでしょうか。
ある程度の事務所であれば、すでに出来る職員が存在し、その人がOJT等を通じて後輩の育成をされているかも知れません。しかしそういった場合、良い先輩にあたった職員は伸び、教え下手の先輩にあたった職員は伸び悩むといったムラが生じる可能性もあります。
やはりきちんとした、レベルアップの仕組み、システム化された研修制度の導入が必要不可欠なのではないでしょうか。職員の方々も研修を通じて己に対する自信を深めていく事が出来ると思います。
私たちが提唱する「経営コーチ」は、システム化された研修制度を持っています。その研修の中で、「マネージメント」と「リーダーシップ」の知識と能力を学び、「コーチング」の技術を身につけ、伸ばしていく事が出来るのです。
知識を高める方法はいくらでもあるでしょう。しかし、「経営者の思い」をくみ取り、サポートできる技術(コーチングスキル)を会計事務所の特性をふまえた上で体系的に学ぶ事が出来るのは、今のところ「日本経営コーチ協会」だけではないかと思います。
会計事務所としての存在意義を高め、中小零細企業の真の見方として活躍し続ける為に、日本経営コーチ協会を有効に利用して頂きたいと思います。

実務経営ニュースより

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